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2001-2002年度会長報告

第2806回例会会長あいさつ 2001.11.21

2001 年 11 月 21 日

2005-6会長

 泉国土交通副大臣の来帯
 道路公団の存在意義が議論となっています。しかし北海道としては高速道路の未開通区間があり、開通してもらわないと十勝の発展に大きく支障を来す状況です。24日には国土交通副大臣の泉信也さんが帯広にみえます。福岡県のご出身で、九州大学を卒業、運輸省の官僚を経て参院議員となられた方です。25日には日勝越えを行い、冬の日勝峠の道路がいかに危険かを体験していただく予定です。大変ありがたい話でもあります。

 「高い高い」が命を奪う
 さて今日は、子供のお話をします。子供が泣くと大人は、「高い高い」をしたり、仰向けに寝て飛行機のまねをして揺さぶることがあります。これで何ともなく育ったのは実は非常に幸せなことで、ひどい場合は命を落とすというのです。脳の硬膜下出血、脳浮腫を起こすためです。死ななくともまひ、てんかん、知能の遅れなどの後遺症が心配されます。原因不明の突然死や知的障害の原因もかなりここにあると言われています。
 この「揺すぶられ症候群」は、雑誌「AERA」の10月8日号に掲載され、幼い孫がいる私も非常に驚きました。東京都内の六ヵ月の子供の事例があります。男の子が風邪気味で機嫌が悪い。お父さんが仰向けになって、何分間か高い高いをしてあやしました。すると突然呼吸が不規則になりぐったりとしてしまった。入院した時は呼吸停止、けいれん、意識障害、眼底出血、硬膜下出血が見られ、二週間で意識は戻ったけれども、手足のまひ、てんかん、知能発達の遅れが残ってしまったのです。

 乳幼児の脳と頭がい骨
 大人の脳は頭がい骨いっぱいに詰まっています。それに対し、乳幼児の場合は脳と頭がい骨の間にゆとりがあるのです。強く揺することで脳にひずみが生じ、血管が切れてしまう。豆腐を思い浮かべてください。パックいっぱいに詰まった充てんタイプのものを振っても崩れませんが、パックと豆腐の間にすき間があるタイプのものを振ると、豆腐は崩れてしまう。それと同じ原理です。
 アメリカではこれで年間5000人の子供が死んでいると言われます。加害者の 80%は父親で、子供をあやし慣れていないから。被害者となるのは男の子が半数以上で、元気がいいためです。日本では4年前の小児科学会で、「高い高い」が非常に危険と報告、事例も確認されています。「高い高い」だけではなく、車で幼児が乗っているときに急ブレーキをかけることも非常に危険です。

 テレビと自閉症
 一方、自閉症と診断される子供が現在、約200人に1人の割合に上り、40年前の約20倍となっています。ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供は30人に1人、アメリカに至っては5人に1人という驚くべき数字です。
 原因は何でしょう。テレビです。1999年にアメリカの小児科学会で、2歳未満の幼児のテレビ視聴を禁止すべきとの提言がなされています。脳の発達との関係があり、一歳前後は言葉を話す能力や相手と会話し考える力が発達する時期なのです。ところがテレビは一方通行で、そこにはコミュニケーションが存在しません。
 そのまま成長すると自閉症やADHDとなりやすい。親の言うことを理解は出来るのですが、言葉が出ない。大人ならば相手にあわせて対話できますが、子供同士はそうはいかないのです。幼稚園に行っても、他の子供と話したり遊んだりすることができない。相手を突き飛ばしてしまったりする。
 身の回りにもあるケースですが、大人になっても精神安定剤を常用しないと生きていけない、死にたいと感じる、対話をしない、ひきこもりなども招いてしまいます。

 対話を重ねて育てよう
 テレビだけではありません。コンピューターゲーム、ビデオもそうです。全部中止し、人間としての対話を続けるという作業をすべきなのです。大人になって社会にアクセスできない人間が育ってしまう前に。
 また、早いうちから言葉などをどんどん覚えさせることも脳に障害を及ぼしたり、性格障害を招いたりします。親はゆったりとした気持ちで子供の成長を待ち、ゆっくり知恵をつけさせていくことが大切なのです。
 川崎医科大学の教授で片岡直樹さんという方が「新潮45」で、「テレビは子供に百害あって一利なし」という形で提言しています。この方を招いて講演することも考えています。
 私を含め皆さんの世代の場合、お孫さんが対象になるでしょう。「揺すぶられ症候群」とあわせて、孫の親、つまり子供たちにしっかり伝えていきましょう。