帯広ロータリークラブ 会長挨拶

2001-2年 帯広ロータリー会長挨拶

リチャード D・キング

帯広ロータリークラブテーマ 行動姿勢は「知行合一」
2001-2年帯広RC会長 林 光繁

「知ることは行うことの始め、行うことは知ることの完成である=知行合一」。中国の思想家・王陽明の起こした「陽明学」の根本命題のひとつである。「第一に志、第二に冷静な情勢判断と的確な戦略戦術を立て、物事に対処せよ」ということである。

 2001-02年度帯広ロータリークラブの行動姿勢の根本にこの「知行合一」を掲げる。ロータリーの創設者ポール・ハリスは、1905年のスタート当初から「I Will」(私は、必ずやってのける)を、行動のバックボーンに据えていた。だからこそ、ロータリーはその精神、行動目標と合いまって、世界規模に拡大、人類に大貢献する組織体に成長していった。「I Will」のポール・ハリスの姿勢と東洋の哲学「知行合一」は、同一線上にあると、私は思う。

 21世紀は、20世紀末にはじまった情報革命の大きなうねりの中で、価値観の変化を強いられながらの船出となった。このような時代には、鈴木樹会長が掲げた論語でいう「温故知新」(古きをたずねて、新しきを知ることは、指導者の役割)の目標は、非常に当を得ている。私は、これを継承しつつ、さらに行動を起こすことに重きを置き、「知行合一」を帯広ロータリークラブの行動指針としていく。

 北海道は、1869年(明治2年)開拓使の設置から、十勝・帯広は、1883年(明治16年)依田勉三の入植から近代史を歩み始めた。約130年の歴史を経て、今、北海道は真の自立を求められている。理由は ・北海道拓殖銀行の崩壊 ・北海道開発庁の国土交通省への統合 ・北海道東北開発公庫の日本政策投資銀行への併合―に見られるように、政府が、北海道への優遇施策の中核を引き揚げていることに表れている。根幹にあるのは、世界的潮流だ。冷戦構造が崩壊、ソ連の恐威がほとんどなくなり、開拓使以来の北辺防衛の拠点の位置付けが薄らいだからだ。さらに、資源供給基地としての北海道の地位も、国家間のボーダレス化、貿易の自由化の中で大幅に低下している。国家に貢献していたため、優遇されていたポジションが消えつつあるのだ。

 モラトリアム(猶予期間)は、終わった。十勝は自立しなければならない。

 北海道開発庁、北海道庁、各自治体、大学、民間―等各機関の努力で、基本インフラは高速道路、高規格道路、帯広空港の国際化等を除き、高レベルでほぼでき上がった。農地もマチも―。あとは、この風土(広い肥沃な大地、きれいな水、晴天率日本一の気候、日高、大雪を背景とする美しい景観・・・)を持つ十勝という“場”を、いかに利用して新しい独自の文化を確立し、観光等の新しい産業を興すかがキーワードであろう。その芽生えは、既にあちこちに出始めている。ナチュラルチーズの十勝の生産量は、全国の62%に達する。この10年間で、一気にここまで伸びてきた動きである。味も世界的レベルにあることが、証明されつつある。創意工夫、熱意があればやれる証拠である。

 専門職業人として道徳的水準を高め、社会に奉仕することが、ロータリーの目標である。自己研鑽と社会改良である。「ノーブレス・オブリージュ」(高貴なるものは、その社会的責任を果たすべき)という英国の持つ紳士道に通じるものがある。帯広ロータリークラブのメンバーは、21世紀の冒頭に立った今、「自らを陶冶し、十勝のため立ち上がろう」。

RIの方針+地域の独自性を

 リチャード・キング次年度RI会長は、「人類が私達の仕事」という、スケールの大きなテーマを掲げた。そして「貧困、疾病、無知、天災で生活を脅かされている人々に援助の手をさしのべよう。そのために、ロータリーを拡大強化しよう」という目標をメンバーに訴えている。これを受けて副島正道第2500地区ガバナーエレクトは (1)会員増強と退会防止 (2)教育研修の充実 (3)地域社会への奉仕 (4)ロータリー財団への貢献 (5)米山記念奨学会への協力―を目標にし、協力を呼び掛けている。

 帯広ロータリーもこれらの意向を受け、活動を展開していく。ただ、帯広ロータリーには、1935年に全国16番目に誕生した66年の歴史がある。十勝という特長のある場もある。当然、地域独自の文化を背景にした事業を展開していきたい。

 クラブ運営、事業展開をする上で、メンバー間のコミュニケーション、意志の疎通はもっとも大切だ。従来は、会合、懇親会等の他にコミュニケーション・ツールとして電話、FAX、広報誌等を使ってきた。当年度からインターネットも使っていく。即ち、帯広ロータリークラブのホームページを作り、私もホームページを通し、随時、ロータリーの情報、私の考えを流していく。各委員会も連絡事項、事業のPRに使ってもらいたい。既存の媒体を補完するものとして登場させるので、メンバーの皆さんも是非アクセスして、インターネットに親しんでいただきたい。

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